118C59

83歳の男性。意識障害のため救急車で搬入された。夏の日中に長時間の草刈り作業中、ふらつきを訴えていた。その後、意識がもうろうとなっているところを周囲の作業者が気付き、救急車を要請した。2型糖尿病と高血圧症で内服治療中である。意識レベルはJCS III-100。体温38.3℃。心拍数120/分、整。血圧92/50mmHg。呼吸数24/分。SpO2 98%(マスク5L/分 酸素投与下)。口腔内は乾燥しており、全身に発汗を認める。血液所見:Hb 15.2g/dL、Ht 53%。血液生化学所見:尿素窒素30g/dL(編注:国試当日出題時の単位そのままの記載としたが、mg/dLの誤植と思われる)、クレアチニン1.2mg/dL、血糖98mg/dL、Na 148mEq/L、K 4.6mEq/L、Cl 104mEq/L。
初期対応に用いる輸液で適切なのはどれか。2つ選べ
生理食塩液
アミノ酸製剤
高カロリー輸液
5%ブドウ糖液
乳酸リンゲル液

解答: a,e

118C59の解説

【ポイント】
高齢男性が「夏の日中に長時間の草刈り作業中」に出現したふらつきと意識障害(体温38.3℃)。文脈から熱中症を疑う。血圧92/50mmHgと低下がみられ、口腔内乾燥と全身の発汗もみられている。初期対応としては細胞外液を補充したい。

【選択肢考察】
a 正しい。代表的な細胞外液補充液である。
b アミノ酸製剤は栄養補充などに用いられる。
c 栄養を補いたい状況ではないため、不適切。あえて2型糖尿病の背景と血糖値とを記載しているのは、「脱水時に高カロリー輸液をすると、高血糖性昏睡を誘発しかねない」と本選択肢をバツにする理由を追加する意図だったのかもしれない(考えすぎか?)。
d 5%ブドウ糖液は細胞内液補充に適する。
e 正しい。代表的な細胞外液補充液である。

正答率:99%

テーマ:熱中症の初期対応に用いる輸液

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