118C55

34歳の経産婦(2妊1産)。妊娠41週2日、破水感を主訴に来院した。妊娠初期から妊婦健康診査を受けていたが、特に異常は指摘されていなかった。妊娠41週2日、午前7時に破水感を自覚したため午前8時に来院した。子宮収縮の自覚はなかった。腟鏡診にて少量の羊水の流出を認めた。内診で子宮口は3cm開大、展退度は60%、硬度は中等度、児頭下降度はSP −2cmであった。入院管理とし、①午後2時、8分ごとの規則的な子宮収縮が開始した。②午後7時、子宮口は10cm開大、展退度は100%。その後、③児頭は顔面を母体腹壁側へ向けるように回旋した。3回の怒責で児頭が娩出し、④続いて母体腹壁側の肩甲が、その後母体背中側の肩甲が娩出した⑤児娩出9分後に胎盤が娩出された。
下線部のうち、異常な分娩経過はどれか。

解答: c

118C55の解説

【ポイント】
経産婦における妊娠41週2日での破水。ぎりぎり正期産の範囲内だが、「子宮収縮の自覚はなかった」とのことで分娩開始前の破水、すなわち前期破水と言える。この状況下で下線部①〜⑤を1つずつ確認していこう。

【選択肢考察】
a 10分以下の周期で規則的な子宮収縮が開始しており、午後2時に分娩開始と判断する。特に異常経過ではない。
b 分娩開始後5時間で子宮口が全開大している。第1期から第2期に移行したと言えよう。経産婦の標準的な第1期所要時間は6時間程度であるため、5時間は問題ない。
c 誤り。顔面を母体背側へ向けるように第2回旋するのが正常である。本症例では逆向きに回旋してしまっており、異常である。
d この下線にあるように、肩甲は母体腹側壁が先に娩出するのが正常。
e 児の娩出後、胎盤娩出までの期間を第3期と呼ぶ。経産婦の標準的な第3期所要時間は10分程度であるため、9分は問題ない。

正答率:97%

テーマ:分娩経過のうち異常なもの

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