118C52

56歳の男性。高血圧症と糖尿病で治療中である。1年前に職場で管理職に昇進しストレスを感じるようになった。徐々に飲酒量と喫煙量が増え、体重が増加している。家庭血圧は収縮期血圧140mmHg程度で推移している。インフルエンザワクチンの接種を予定している。喫煙は30本/日、飲酒は日本酒2合/日。身長168cm、体重86kg。尿所見:尿蛋白2+、糖+。血液生化学所見:HbA1c 7.8%(基準4.9〜6.0)、eGFR 40mL/分/1.73m2
この患者で三次予防とならないのはどれか。
禁煙
禁酒
運動療法
栄養療法
予防接種

解答: e

118C52の解説

【ポイント】
高血圧症と糖尿病で治療中の中年男性。一次〜三次予防についての区別を問う典型的出題なようにも思えるが、今回のケースではすでに疾患に罹患していることがポイント。例えば、未だ何も疾患に罹患していない喫煙者が禁煙をすると、「肺癌にならずに済んだ」のような一次予防になる。が、本患者はすでに高血圧症と糖尿病に罹患しており、禁煙をすることで病態の進行・増悪を防ぎ、QOLの向上につながる。その観点から本問に限って言えば、禁煙は三次予防と言える。同様に、禁酒や運動・栄養療法も現状の病態を打開するのに有用と言え、すべて三次予防である。正解は予防接種。本患者は感染症を患っているわけではないため、ワクチンを接種することで、これから来るべき当該の感染症を予防することができる。これは一次予防と言える。

正答率:97%

テーマ:三次予防とならないもの

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