118C51

11歳の男児。学校に行けないことを主訴に父親に連れられて来院した。乳幼児期の発達は順調だった。就学時から文字を書くことが苦手だったが、ひらがなとカタカナは書けており、成績も中等度を保っていた。小学3年生から漢字の書き取りのミスが目立つようになり、何度学習しても習得できなかった。黒板を書き写すのに時間がかかるため、最近は授業についていけなくなり、次第に登校できない日が増えている。友人関係におけるトラブルはない。
診断はどれか。
知的発達障害
限局性学習障害
自閉スペクトラム症
注意欠如多動性障害
発達性協調運動障害

解答: b

118C51の解説

【ポイント】
就学時から文字を書くことが苦手な男児。その定義上、「文字」にはひらがなとカタカナも含むため、「ひらがなとカタカナは書けており」という記載が若干分かりにくいが、「就学時から文字を書くことが苦手だった」「小学3年生から漢字の書き取りのミスが目立つようになり」という記述からは、もともとひらがなとカタカナを書くのも苦手だったが、現在までに練習してなんとか書けるようになった。そして今は漢字が最大の難所、といったイメージか。いずれにせよ「成績も中等度を保っていた」「友人関係におけるトラブルはない」とのことで、書字のみが対象となっている。特定の能力習得やその使用に困難をみる病態であり、限局性学習障害の診断となる。

【選択肢考察】
a 「成績も中等度を保っていた」という記載より、否定的。
b 正しい。上記の通り。
c 「友人関係におけるトラブルはない」という記載より、否定的。
d 書字以外に関する記載(不注意や多動性・衝動性)がないため、否定的。
e 運動面での懸念事項について記載がないため、否定的。

正答率:99%

テーマ:限局性学習障害の診断

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