118C36

69歳の男性。肉眼的血尿を主訴に来院した。1か月前から血尿が出現した。意識は清明。身長176cm、体重86kg。体温36.5℃。脈拍68/分、整。血圧118/72mmHg。腹部は平坦で、腫瘤を触知しない。尿所見:蛋白(-)、糖(-)、ケトン体(-)、潜血3+、沈渣に赤血球を多数認めた。来院時の膀胱鏡像(A)と骨盤部造影CT(B)を別に示す。胸腹部CTと骨シンチグラフィで異常を認めない。
まず行うべき治療で適切なのはどれか。
殺細胞性抗癌薬
腎尿管全摘除術
BCG膀胱内注入療法
経尿道的膀胱腫瘍切除術
免疫チェックポイント阻害薬

解答: d

118C36の解説

【ポイント】
高齢男性の無症候性血尿ですぐに想起したいのは尿路系の癌である。膀胱鏡像(A)では乳頭状の腫瘍性病変が、骨盤部造影CT(B)では膀胱右背側にやはり腫瘍性病変がそれぞれ指摘でき、膀胱癌の診断となる。胸腹部CTと骨シンチグラフィで転移巣は指摘されていないため、画像とも合わせて筋層非浸潤の表在癌が考えやすく、経尿道的膀胱腫瘍切除術〈TUR-BT〉を行う運びとなる。

【選択肢考察】
a 転移例に有効。
b 腎盂癌や尿管癌に有効。
c 上皮内癌に有効。
d 正しい。上記の通り。
e 術後の補助療法としてや、転移例に有効。

正答率:90%

テーマ:膀胱癌にまず行うべき治療

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