118C35

51歳の男性。左の下腹部から側腹部にかけての痛みを主訴に来院した。昨日の仕事中に軽度の左背部痛が出現したが、30分で軽快した。本日午前8時ごろ電車で出勤中に、左の下腹部から側腹部にかけての強い痛みが突然出現したため受診した。来院の途中に悪心と嘔吐があった。意識は清明。体温36.3℃。脈拍80/分、整。血圧158/94mmHg。呼吸数20/分。顔色は蒼白で冷汗を認める。腹部に反跳痛を認めない。左の肋骨脊柱角に叩打痛を認める。尿所見:蛋白1+、糖(-)、潜血3+、沈渣に赤血球15〜30/1視野、白血球1〜4/1視野。血液生化学所見:尿素窒素23mg/dL、クレアチニン1.2mg/dL、尿酸8.6mg/dL、Na 136mEq/L、K 4.0mEq/L、Cl 109mEq/L、Ca 9.2mg/dL。腹部超音波検査で左水腎症、左腎結石および左尿管結石を認めるものの、腹部エックス線写真で石灰化陰影を認めない。
この患者で予測される結石成分はどれか。
尿酸
炭酸カルシウム
リン酸カルシウム
シュウ酸カルシウム
リン酸マグネシウムアンモニウム

解答: a

118C35の解説

【ポイント】
「左の下腹部から側腹部」という広い範囲にもかかわらず、比較的ピンポイントな疼痛。左肋骨脊柱角の叩打痛、尿潜血3+・沈渣に赤血球15〜30/1視野、などから尿路結石を考える。実際、腹部超音波検査で左水腎症、左腎結石および左尿管結石の診断がついている。「腹部エックス線写真で石灰化陰影を認めない」とのことで、キサンチン〔き〕、尿酸〔に〕、シスチン〔し〕結石のいずれかが疑わしい〔「見えなくても"気にし"ない」というゴロ合わせが有名〕。血液検査で尿酸8.6mg/dLと高値を示していること、選択肢にキサンチンとシスチンが存在しないこと、などから尿酸結石と考えたい。

正答率:97%

テーマ:尿酸結石の診断

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