118B39

25歳の男性。尿量減少を主訴に来院した。1週間前に家族から顔のむくみを指摘された。3日前から尿量が減少したため受診した。生来健康である。身長177cm、体重74kg。脈拍72/分、整。血圧108/64mmHg。両眼瞼に浮腫を認める。胸腹部に異常を認めない。両下腿に圧痕性浮腫を認める。尿所見:蛋白4+、糖(-)、潜血(-)、蛋白定量1,540mg/dL(基準15~45)、クレアチニン定量70mg/dL、Na 15mEq/L。血液所見:赤血球632万、Hb 19.1g/dL、Ht 55%。血液生化学所見:総蛋白3.6g/dL、アルブミン1.2g/dL、尿素窒素40mg/dL、クレアチニン1.9mg/dL、尿酸7.6mg/dL、総コレステロール521mg/dL、Na 131mEq/L、K 4.7mEq/L、Cl 100mEq/L。
次に行うべき検査はどれか。
膀胱鏡検査
レノグラム
腹部造影CT
腹部超音波検査
腹部エックス線撮影

解答: d

118B39の解説

【ポイント】
生来健康な20代の男性に尿量減少と浮腫がみられている。尿蛋白4+、アルブミン1.2g/dLよりネフローゼ症候群である(エピソード的には微小変化群が疑わしいが、本問ではネフローゼ症候群の原因を特定することは求められていない)。クレアチニン1.9mg/dLからは急性腎障害〈AKI〉と考えられ、教科書的な「腎前性」「腎性」「腎後性」といった鑑別に移る。

【選択肢考察】
a 膀胱癌による水腎症が原因となった腎後性AKIが疑われる、などの文脈で行いたい検査だ。現状ではネフローゼ症候群が考えやすいわけで、膀胱にフォーカスを当てるのは時期尚早。
b 腎機能検査。腎機能は当然ながら低下が予想されるわけで、これを示したところでAKIの原因究明に迫ることはできない。
c 腎機能低下がみられていることから、造影検査は控えたい。
d 正しい。無侵襲に行うことができ、腎の形態や水腎症の有無を判別可能。
e 尿路結石による水腎症が原因となった腎後性AKIが疑われる、などの文脈で行いたい検査だ。現状ではネフローゼ症候群が考えやすいわけで、腹部エックス線検査から何かしらの重要な情報が得られるとは思えない。

正答率:97%

テーマ:急性腎障害(微小変化群疑い)に行うべき画像検査

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