118B40

38歳の初産婦(1妊0産)。妊娠32週に上腹部痛のため来院した。来院前日から頭痛、眼のちかちかする感じ(眼華閃発)、心窩部不快感、手指のこわばり、全身の浮腫および尿量減少を自覚し、本日は上腹部から右季肋部にかけての疼痛、倦怠感および悪心を訴えている。脈拍84/分、整。血圧156/102mmHg。胎児心拍数陣痛図では異常を認めない。
この患者で低下していることが予測されるものはどれか。
LD
AST
血小板数
ヘマトクリット値
尿蛋白/クレアチニン比

解答: c

118B40の解説

【ポイント】
妊娠32週での血圧156/102mmHgより妊娠高血圧症候群〈HDP〉、さらに全身の浮腫および尿量減少からは腎機機能低下も読み取れ、妊娠高血圧腎症の可能性が高い。頭痛と眼華閃発はHDPに合併しやすい子癇(の前兆)を思わせる。上腹部〜右季肋部(肝の位置)に疼痛があること(もっと言ってしまえばLDやAST、血小板といったミエミエな選択肢)も加味し、HELLP症候群と考える。

【選択肢考察】
a 溶血により、LDは上昇する(H〈Hemolysis〉に該当)。
b 肝障害により、ASTは上昇する(EL〈Elevated Liver enzymes〉に該当)。
c 正しい。血小板数は低下する(LP〈Low Platelet count〉に該当)。
d 一般に妊婦では水血症を呈するが、HDP患者では血液濃縮によりヘマトクリット値の上昇をみることが多い。
e 腎機能低下により、尿蛋白/クレアチニン比は上昇する。

正答率:95%

テーマ:HELLP症候群で低下が予測される検査項目

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