118B37

32歳の女性。頸部リンパ節腫大を主訴に来院した。3週間前から左頸部の腫れに気付いていた。その後、右頸部も腫れてきたので受診した。発熱、体重減少および盗汗はない。生来健康。ペット飼育歴とアレルギー歴はない。夫は3か月前、陰茎に無痛性潰瘍があり治療歴がある。意識は清明。身長168cm、体重61kg。体温36.7℃。脈拍78/分、整。血圧106/68mmHg。呼吸数16/分。SpO2 100%(room air)。手掌と足底にびまん性の一部癒合した径3mmの紅斑・丘疹を認める。口腔内には潰瘍性病変を認めない。咽頭は発赤を認めない。左頸部に径5cmの可動性があり、柔軟なリンパ節を1個触知する。右頸部にも同様に径3cmのリンパ節腫大を1個触知する。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部に肝・脾を触知しない。
最も適切な治療薬はどれか。
抗真菌薬
抗ウイルス薬
セフェム系薬
ペニシリン系薬
カルバペネム系薬

解答: d

118B37の解説

【ポイント】
「頸部リンパ節腫大」「手掌と足底の紅斑・丘疹(☞バラ疹)」という患者本人の記載だけでは判断に迷うかもしれないが、夫の記載(陰茎に無痛性潰瘍〔☞硬性下疳〕)からピンとくることと思う。梅毒だ。

【選択肢考察】
a 真菌感染ではない。
b ウイルス感染ではない。
c 抗菌薬であるが、梅毒には無効。
d 正しい。梅毒に対して第一選択となる抗菌薬である。
e 抗菌薬であるが、梅毒には無効。

正答率:99%

テーマ:梅毒の治療薬

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