118B36

54歳の女性。飲酒後転倒して顔面を強打したため救急外来を受診した。頭部単純CTで異常を認めない。額の開放創を縫合した。額の縫合後写真を別に示す。
患者への帰宅前の指導で正しいのはどれか。
「自宅で洗顔をしてもよいです」
「抜糸する時は入院が必要です」
「寝る時は枕をしないでください」
「痛み止めの薬を服用しないでください」
「吐き気があるときは翌日に受診してください」

解答: a

118B36の解説

【ポイント】
創縫合後の患者への指導。

【選択肢考察】
a 正しい。本選択肢を選べた者は88%。「帰宅前の指導」としか設問文では誘導がないわけで、期限等の指定はない。もし「自宅で洗顔をしてもよいです」が誤りであれば、次回受診時(抜糸時〔1週後程度か〕の可能性が高い)までずっと洗顔を禁止することとなる。これは酷だ。このように冷静に考えれば誰でも解けるサービス問題が案外正答率90%を超えてこない現実を淋しく思う。
b 外来で抜糸可。
c 枕をしないで寝ると頭部の位置が低くなるため、重力の関係で液体成分が貯留しやすく、再出血や腫脹がみられやすくなる。が、抗凝固薬などを服薬しているわけでもないため、枕の有無は誤差の範囲な気もする。いずれにせよ、あえて「枕をしないで」と指導する意味はない。
d 疼痛に対しては適宜、鎮痛薬を使用する。
e 吐き気があるときは頭蓋内出血等、危険な状態になっている可能性が高い。翌日ではなく、即時受診するよう指導する。

正答率:88%

テーマ:創縫合を行った患者への帰宅前の指導

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