118A73

28歳の女性。乳汁分泌と無月経を主訴に来院した。無月経は3か月前から続き、2週間前に乳汁分泌に気付いた。2年前からうつ症状で精神科で内服加療中である。家族歴に特記すべきことはない。妊娠歴はない。意識は清明。身長158cm、体重46kg。体温36.5℃。脈拍80/分、整。血圧116/70mmHg。呼吸数12/分。SpO2 99%(room air)。項部硬直を認めない。眼球運動に異常を認めない。甲状腺腫を認めない。心音に異常を認めない。乳汁漏出あり。下腿に浮腫を認めない。血液生化学所見:プロラクチン〈PRL〉80ng/mL(基準15以下)。
次に行う対応で適切なのはどれか。3つ選べ
下垂体MRI
髄液蛋白測定
内服歴の再確認
甲状腺ホルモン測定
副甲状腺ホルモン測定

解答: a,c,d

118A73の解説

【ポイント】
高プロラクチン血症による乳汁分泌と無月経が疑われる。選択肢と本文を行ったり来たりして、もっともらしいものを3つ選ぼう。

【選択肢考察】
a 正しい。下垂体腺腫による高プロラクチン血症を想定する。
b 髄膜炎は高プロラクチン血症の原因として一般的ではない。
c 正しい。「2年前からうつ症状で精神科で内服加療中」とのことで、薬剤性の高プロラクチン血症を想定する。
d 正しい。甲状腺機能低下症にて高プロラクチン血症を呈することが有名。「甲状腺腫を認めない」という本文の記載から本選択肢を選びきれず、副甲状腺へ流れてしまったものがごく少数いたようだ。115B48でも出題があるように、甲状腺機能低下症だからといって絶対に甲状腺腫があるわけではない。
e 多発性内分泌腫瘍症〈MEN〉1型を想定し、本選択肢を選んだ者が約3%。気持ちは分からなくもないが、残り97%の受験生の選択や113D27など過去問の流れを追うに、順当に得点をゲットするための選択とは言えなそうだ(一発逆転の博打的選択と言えるが国試にそうした大胆さは必要ない)。

正答率:97%

テーマ:高プロラクチン血症に行う検査

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