118A64

72歳の女性。①尿量の減少を主訴に来院した。4日前から嘔吐と下痢があり食事量が低下していた。2日前から全身倦怠感が出現し、今朝から尿量が減少したため受診した。12年前から高血圧症で降圧薬を内服している。身長154cm、体重48kg(2週間前の体重51kg)。脈拍108/分、整。血圧100/52mmHg。口腔内は乾燥している。胸部と腹部の診察で異常を認めない。尿所見:蛋白1+、潜血(-)、沈渣に赤血球1~3/HPF、白血球1~2/HPF、円柱はない。尿生化学所見:②尿Na 10mEq/L。血液所見:赤血球300万、③Hb 10.0g/dL、Ht 31%、白血球9,200、血小板35万。血液生化学所見:尿素窒素70mg/dL、④クレアチニン2.5mg/dL(1か月前の採血では0.9mg/dL)、Na 138mEq/L、⑤K 5.5mEq/L、Cl 98mEq/L。
下線部のうち、急性腎障害の原因の鑑別に有用なのはどれか。

解答: b

118A64の解説

【ポイント】
急性腎障害の原因鑑別に有用な所見を下線部から洗い出す。

【選択肢考察】
a 急性腎障害の定義に「尿量の急激な減少」が含まれている。が、これは原因鑑別とは別の話。
b 正しい。腎前性か腎性か、の鑑別に有用である。
c 腎性貧血がみられている可能性が高いが、原因鑑別には役立たない。
d 腎障害を示唆するのみで、原因鑑別にはつながらない。
e 腎障害により排泄が不十分なのだろうが、原因鑑別にはつながらない。

正答率:86%

テーマ:急性腎障害〈AKI〉の原因の鑑別に有用な所見

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