118A63

22歳の男性。咳嗽を主訴に来院した。1週間前から微熱と咳嗽が出現し改善しないため受診した。両親と弟と同居。2週間前に16歳の弟が同様の症状で百日咳と診断されている。昨日から反復性、発作性の咳嗽が持続している。咳は夜間に強い。意識は清明。体温37.1℃。脈拍108/分、整。血圧124/68mmHg。呼吸数22/分。SpO2 98%(room air)。心音と呼吸音とに異常を認めない。
この疾患で正しいのはどれか。
空気感染する。
潜伏期は2、3日である。
痙咳期に呼気喘鳴を聴取する。
セフェム系抗菌薬が有効である。
カタル期には核酸増幅検査が診断に有用である。

解答: e

118A63の解説

【ポイント】
「2週間前に16歳の弟が同様の症状で百日咳と診断されている」という何ともマイルドな出題(さすがに「実はこれは引っ掛け誘導で、本当は百日咳ではありませんでした〜、残念!」のような裏は考えなくてよい;むろん厳密には考慮すべきなのかもしれないが、そこまで疑い深く1つ1つの問題と接していると本番では400問もの大量な出題に精神がもたない者が大半だろうから、総合的なパフォーマンスを考えるに問題とは素直に接するよう心がけるべきだ)。夜間に強い、反復性、発作性の咳嗽が持続という情報も百日咳に合致する。

【選択肢考察】
a 飛沫感染する。
b 潜伏期は1〜2週である。
c 百日咳はその経過上、カタル期→痙咳期→回復期と遷移する。このうち痙咳期に"吸"気性笛声(whoopやreprise)が出現する。"呼"気喘鳴ではない。
d マクロライドやテトラサイクリン系抗菌薬が有効である。
e 正しい。カタル期は伝染力が最も強い時期であり、核酸増幅検査による診断に適した時期とも言える。

正答率:52%

テーマ:百日咳について

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