118A60

29歳の男性。労作時呼吸困難を主訴に来院した。数年前から職場健診で高血圧と尿検査異常を指摘されていたが、医療機関を受診しなかった。1週間前から階段を昇る際に息切れを自覚したため受診した。意識は清明。身長172cm、体重82kg。体温36.4℃。脈拍104/分、整。血圧228/132mmHg。呼吸数20/分。SpO2 96%(room air)。頸静脈の怒張を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。両前脛骨部に圧痕性浮腫を認める。神経診察で異常を認めない。尿所見:比重1.020、蛋白3+、潜血3+、沈渣に変形赤血球を多数認める。血液所見:赤血球422万、Hb 13.7g/dL、Ht 40%、白血球9,800、血小板17万。血液生化学所見:総蛋白6.9g/dL、アルブミン3.8g/dL、尿素窒素52mg/dL、クレアチニン4.0mg/dL、Na 138mEq/L、K 2.9mEq/L、Cl 106mEq/L。
降圧薬治療の準備中にまず行う検査はどれか。
頭部CT
眼底検査
頸動脈エコー検査
腹部エックス線撮影
足関節上腕血圧比〈ABI〉

解答: b

118A60の解説

【ポイント】
数年前から高血圧と尿検査異常を指摘されていた患者の血圧が228/132mmHgと高度上昇している。尿蛋白3+、潜血3+、クレアチニン4.0mg/dLなどから悪性腎硬化症(悪性高血圧症)と考える。

【選択肢考察】
a 脳出血など頭蓋内病変を疑った際に実施する。
b 正しい。乳頭浮腫や眼底出血が同定される。
c 頸動脈の狭窄を疑った際に実施する。
d 腸閉塞や消化管穿孔を疑った際に実施する。
e 閉塞性動脈硬化症〈ASO〉などを疑った際に実施する。

正答率:74%

テーマ:悪性腎硬化症(悪性高血圧症)の降圧薬治療の準備中にまず行う検査

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