118A55

73歳の男性。発熱と頭痛を主訴に来院した。最近疲れやすく、3か月間で3kgの体重減少があった。1か月前から微熱と頭痛が続き、5日前から頭痛が強くなった。トイレの場所を間違える、真夜中に食事を要求するなどの異常行動に家族が気付いていたという。意識は混濁。身長168cm、体重59kg。体温38.2℃。脈拍92/分、整。血圧140/92mmHg。神経診察では項部硬直、右眼の外転障害、右顔面の運動麻痺を認める。脳脊髄液所見:外観は水様透明。初圧200mmH2O(基準70~170)、細胞数250/mm3(すべて単核球)(基準0~2)、糖(定量)25mg/dL(基準50~75)、蛋白(定量)180mg/dL(基準15~45)、アデノシンデアミナーゼ〈ADA〉15IU/L(基準8以下)。頭部単純CTで脳室拡大は認めない。
診断はどれか。
結核性髄膜炎
重症筋無力症
正常圧水頭症
多発性硬化症
Bell麻痺

解答: a

118A55の解説

【ポイント】
項部硬直があり、髄液中の細胞数が上昇(すべて単核球)・糖が低下している。髄膜炎を疑う。外転神経や顔面神経の障害と思しき所見がみられているのは頭蓋内での炎症波及が原因であろう。ADAが上昇していることから結核性髄膜炎を考える。正直、ADA上昇の時点で他選択肢はすべて却下されるのだが、一応その他の根拠を選択肢考察では示しておく。

【選択肢考察】
a 正しい。上記の通り。
b 夕方に増悪する(日内変動のある)眼瞼下垂、のような典型的エピソードがほしい。
c 頭部単純CTにて脳室拡大をみる。
d 時間的・空間的多発をみる。
e 顔面神経麻痺のみみられる。外転神経の障害は伴わない。

正答率:99%

テーマ:結核性髄膜炎の診断

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