118A48

33歳の女性。発熱を主訴に来院した。2週間前に2年間滞在していたアフリカから帰国した。1週間前から悪寒戦慄を伴う発熱、頭痛および悪心が出現した。1日おきに40℃の高熱が出るため自宅近くの診療所で解熱鎮痛薬を処方された。発熱が改善しないため再受診した。意識は清明。体温39.3℃。脈拍108/分、整。血圧80/48mmHg。呼吸数20/分。SpO2 98%(room air)。この患者の末梢血May-Giemsa染色標本を別に示す。
この疾患で正しいのはどれか。
経口感染する。
脾腫がみられる。
ワクチンが有効である。
潜伏期は3〜5日である。
キノロン系の抗菌薬が有効である

解答: b

118A48の解説

【ポイント】
アフリカから帰国後に悪寒戦慄を伴う発熱、頭痛および悪心がみられている。発熱は1日おきに40℃という48時間周期のパターンである。画像にてring formが指摘できることと合わせ、三日熱マラリアと診断する。

【選択肢考察】
a ハマダラカによる媒介感染である。
b 正しい。マラリア感染にて脾腫がみられることは有名。
c △。世界の一部の国ではワクチンがすでに使用されている。が、日本では未だ承認されていない。本問の設問誘導は「この疾患で正しいのはどれか」なわけであって、「我が国において」という条件縛りがない。ゆえに一般問題的な知識を問うたものとも読み取れ、そう考えると本選択肢は正解となる(かつて107I26でも同様の議論があった)。しかしながら他により明らかな選択肢がある以上、今回は正解とならない。国試ではこういう事態がよくある。本選択肢を選んだ12%の者は可哀想だが、事故に遭ったようなものと考え、すっぱり諦めよう。本問で失点したら即不合格になるといったことはありえず、他の問題で淡々とカバーすればよいだけの話である。
d 潜伏期は2週前後である。
e キニーネ等が用いられる。

正答率:87%

テーマ:マラリア感染症について

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