118A47

68歳の男性。就寝中の行動を心配した妻に伴われて来院した。週に数回、就寝後1時間半ほどすると大声をあげ、むっくと起き上がって何かと戦っているような行動をするようになった。妻が制止すると我に返り「夢を見ていた」と言い、再び就寝し翌朝には夢の中でのことだったと記憶している。日中の行動異常は全くない。身体的には体が固く動作が遅くなったといい、物忘れを自覚している。身長168cm、体重60kg。四肢に筋強剛を認める。Mini-Mental State Examination〈MMSE〉では21点(満点30)。血液所見、血液生化学所見、脳波および頭部単純MRIに異常を認めない。
この患者の睡眠障害はどれか。
夜間せん妄
睡眠時遊行症
ナルコレプシー
むずむず脚症候群
レム〈REM〉睡眠行動障害

解答: e

118A47の解説

【ポイント】
「就寝後1時間半ほどすると大声をあげ、むっくと起き上がって何かと戦っているような行動をする」とのことで、レム〈REM〉睡眠行動障害を考える。「体が固く動作が遅くなった」「物忘れを自覚(MMSE 21点)」「四肢に筋強剛」といった記載から背景にLewy小体型認知症を想定する。

【選択肢考察】
a 意識障害のため、翌朝に記憶がないはずである。
b 小児に好発する。また、翌朝に異常行動の記憶はない。
c 突発性の睡眠発作や入眠時幻覚、情動脱力発作〈カタプレキシー〉をみる。
d 文字通り、脚のムズムズ感をみる。
e 正しい。上記の通り。

正答率:99%

テーマ:レム〈REM〉睡眠行動障害の診断

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