118A42

56歳の女性。けいれんを主訴に救急車で搬入された。約1か月前から頭痛を自覚していたが、市販の鎮痛薬を内服して様子をみていた。自宅で初めて全身けいれんを起こし家族が救急車を要請した。意識レベルはJCS II-10。体温36.7℃。心拍数96/分、整。血圧136/86mmHg。呼吸数16/分。SpO2 98%(鼻カニューラ2L/分 酸素投与下)。瞳孔径は両側3mm、対光反射は迅速である。全身けいれんは数分間で消失した後に右半身の不全麻痺を認める。頭部単純CT冠状断像(A)と頭部造影MRIのT1強調水平断像(B)を別に示す。
考えられるのはどれか。
膠芽腫
髄膜腫
脳膿瘍
神経鞘腫
転移性脳腫瘍

解答: b

118A42の解説

【ポイント】
頭蓋内に腫瘍が存在している以上、症例のようなけいれんや麻痺がみられるのは不思議ではない(これらの症候だけでは選択肢を絞り込むのが難しい;強いて言うなら体温36.7℃と発熱がみられていないため脳膿瘍は否定的か)。ゆえに、結局は画像勝負となる。画像A, Bともに左大脳半球に境界明瞭な腫瘍がみられ、特にBではdural tail signが指摘可能。髄膜腫の診断である。

【選択肢考察】
a 造影MRIにてring enhancementをみる。
b 正しい。上記の通り。
c 前述の通り、発熱など炎症所見をみる。
d 小脳橋角部に好発し、蝸牛神経症状や眼振をみる。
e 造影MRIにてring enhancementをみる。また、由来となった原発巣に関する情報が欲しいところだ。

正答率:98%

テーマ:髄膜腫の診断

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