118A28

生後10か月の男児。嘔吐を主訴に両親に連れられて来院した。在胎39週、体重2,980gで出生した。離乳食を食べると嘔吐するという。体重6,840g。体温36.9℃。心拍数92/分。血圧90/56mmHg。呼吸数20/分。食道24時間pHモニタリング検査を行い、高度の胃食道逆流症を認めた。上部消化管造影の正面像(A)と側面像(B)を別に示す。
この患児の診断はどれか。
胃軸捻転
食道憩室
食道アカラシア
食道裂孔ヘルニア
先天性横隔膜ヘルニア

解答: d

118A28の解説

【ポイント】
「高度の胃食道逆流症を認めた」とのことで、その原因を考える。画像ではA, B双方とも食道裂孔より上部に脱出した胃が指摘可能。滑脱型の食道裂孔ヘルニアと診断される。

【選択肢考察】
a 胃軸捻転の画像は115F52で出題があるため、ぜひ見比べてみてほしいが、今回の問題では捻転が指摘できない。
b 憩室は画像上、指摘できない。
c 食道アカラシアでは特徴的な先細り像がみられるはず。
d 正しい。上記の通り。
e 厳密には食道裂孔ヘルニアは横隔膜ヘルニアの1つとも言えるため、悩ましい。が、選択者は3%に過ぎず、あまり試験会場で悩んだ者はいなかった模様だ。国試の原則通り、指定された個数、優先順位をつけて明らかな選択肢から選ぼう。

正答率:60%

テーマ:食道裂孔ヘルニアの診断

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