118A27

59歳の男性。左肩痛を主訴に来院した。1か月前から左肩痛を自覚するようになった。脈拍80/分、整。血圧130/70mmHg。呼吸数16/分。SpO2 99%(room air)。左眼瞼下垂を認める。頸静脈の怒張を認めない。心音に異常を認めない。呼吸音は左肺尖部で減弱を認める。四肢筋力に異常を認めない。血液生化学所見:血糖90mg/dL、HbA1c 5.0%(基準4.9〜6.0)、Na 140mEq/L、K 3.8mEq/L、Cl 104mEq/L、CEA 3.2ng/mL(基準5以下)、SCC 7.0ng/mL(基準1.5以下)。気管支鏡下生検で扁平上皮癌と診断された。胸部エックス線写真(A)と胸部造影CT(B)を別に示す。
この患者で認めるのはどれか。
Horner症候群
上大静脈症候群
Cushing症候群
Lambert-Eaton症候群
ADH不適合分泌症候群

解答: a

118A27の解説

【ポイント】
「気管支鏡下生検で扁平上皮癌と診断された」と記載がある(SCC上昇も矛盾しない)。画像A, Bより左肺尖部の癌と考えられ、これはPancoast症候群の原因となる。Pancoast症候群にはHorner症候群を合併し、それゆえ「左眼瞼下垂」がみられているのだろう。

【選択肢考察】
a 正しい。上記の通り。
b 頸静脈の怒張がみられるはず。
c 中心性肥満など特徴的な所見の記載が一切なく、見当外れな選択肢。さすがに誰も選ばなかった(選択率0%)。
d 筋力低下がみられるはず。
e 低ナトリウム血症がみられるはず。

正答率:99%

テーマ:Pancoast症候群で認める症候群

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