118A25

28歳の女性(2妊1産)。妊娠32週に胎児発育不全を指摘され紹介受診した。妊娠10週に行った妊婦初期検査では血液型O型RhD(+)、間接Coombs試験陰性、HBs抗原陰性、HCV抗体陰性、風疹HI抗体価128倍、RPR 1倍未満、TPHA陰性、HIV抗原・抗体陰性であった。妊娠15週に感冒様症状が数日続いたが、自然に軽快したためそのままにしていた。来院時の胎児超音波検査で大横径〈BPD〉73mm(−2SD)、腹囲〈AC〉23cm、大腿骨長〈FL〉24mm、推定胎児体重〈EFW〉1,368g(−2SD)、胎児に腹水を認める。
考えられる母子感染症はどれか。
水痘
梅毒
風疹
B型肝炎
サイトメガロウイルス感染症

解答: e

118A25の解説

【ポイント】
妊娠32週の胎児発育不全。胎児水腫もみられている。与えられた情報から消去法で残そう。

【選択肢考察】
a 水痘・帯状疱疹ウイルスは経産道感染が一般的であり、経胎盤感染は稀。また、胎児発育不全の原因としても稀。
b 「RPR 1倍未満、TPHA陰性」とあり否定的。
c 「風疹HI抗体価128倍」とあり、「ん? 抗体価が高いということは胎児に影響が?」などと悩んでしまった者が36%もいた。抗体価が高いということはワクチン接種済ないし罹患済みであり、十分に防御できるという意味である。ゆえに否定的。
d 「HBs抗原陰性」とあり否定的。
e 正しい。TORCH症候群のCに該当する感染症であり、胎児発育不全の原因となる。

正答率:55%

テーマ:考えられる母子感染症

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