118A23

52歳の女性。尿管結石症を繰り返すことを主訴に来院した。5年前から高血圧症で内服加療中。2年前に腎結石に対して体外衝撃波結石破砕術を施行。2週間前に腰背部痛を自覚したため受診した際、尿路結石症と診断された。脈拍80/分、整。血圧154/90mmHg。甲状腺腫を触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は軽度の膨満を認める。下腿に浮腫を認めない。血液生化学所見:アルブミン3.6g/dL、Ca 13.2mg/dL、P 2.4mg/dL、PTH 120pg/mL(基準10〜60)。頸部超音波検査で、甲状腺右葉下極に近接して長径3cmの腫瘤を検出した。99mTc-MIBI副甲状腺シンチグラムを別に示す。
この患者の所見で正しいのはどれか。
骨密度の低下
血清ALPの低値
代謝性アルカローシス
活性型ビタミンDの低下
尿細管リン再吸収率の上昇

解答: a

118A23の解説

【ポイント】
高カルシウム、低リン血症を呈しており、PTHの上昇がある。副甲状腺機能亢進症が疑わしい。頸部超音波検査所見や画像として与えられたシンチグラム(甲状腺右葉下極への集積)から原発性副甲状腺機能亢進症であろう。高カルシウム血症により尿管結石症を反復していると考えられる。

【選択肢考察】
a 正しい。PTHによる骨溶解作用により、骨密度が低下する。
b 骨破壊により、血清ALPは高値となる。
c PTHの作用により、代謝性アシドーシスをきたす。
d PTHの作用により、活性型ビタミンDは産生促進される。
e 尿細管リン再吸収率が低下するからこそ、低リン血症となる。

正答率:92%

テーマ:副甲状腺機能亢進症の所見

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