118A21

68歳の男性。労作時息切れを主訴に来院した。1年前から自宅の階段を昇る際に息切れを自覚するようになり、その後も症状が増悪するため受診した。体温36.5℃。脈拍76/分、整。血圧132/76mmHg。呼吸数16/分。SpO2 96%(room air)。心音に異常を認めない。左中下肺野で呼吸音は減弱し、同部位で腸雑音を聴取する。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。血液所見:赤血球459万、Hb 13.9g/dL、Ht 42%、白血球6,800。CRP 0.1mg/dL。胸部エックス線写真の正面像(A)と側面像(B)を別に示す。
診断はどれか。
自然気胸
横隔膜損傷
横隔膜下膿瘍
横隔膜弛緩症
Bochdalekヘルニア

解答: d

118A21の解説

【ポイント】
ポイントは画像であろう。左横隔膜の挙上が指摘できる。そのため「左中下肺野で呼吸音は減弱し、同部位で腸雑音を聴取する」という現象がみられている。これゆえの労作時息切れと考えられる。

【選択肢考察】
a 自然気胸であれば肺自体の虚脱がみられるはず。
b 横隔膜を損傷するようなエピソードが見当たらない。
c 発熱や白血球・CPRの上昇といった炎症所見がみられるはず。
d 正しい。横隔膜弛緩症が最も考えやすい。
e Bochdalekヘルニアは先天的なものであり、60代で症状が発現するとは考えにくい。

正答率:43%

テーマ:横隔膜弛緩症の診断

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