118A16

32歳の男性。右陰嚢の腫大を主訴に来院した。3か月前から右陰嚢の無痛性腫大を自覚したため受診した。既往歴と家族歴に特記すべきことはない。身長170cm、体重69kg。体温36.1℃。脈拍72/分、整。血圧122/66mmHg。右精巣に硬結を触知し圧痛を認めない。血液所見:赤血球440万、Hb 13.7g/dL、Ht 42%、白血球6,000、血小板30万。血液生化学所見:LD 302U/L(基準124〜222)、hCG 0.1mIU/mL(基準0.7以下)、α-フェトプロテイン〈AFP〉5.2ng/mL(基準20以下)。陰嚢部超音波検査で右精巣に長径5cmの内部不均一な充実性腫瘤像を認める。胸腹部造影CTで最大径3cmの後腹膜リンパ節腫大を認める。
まず行うべき対応はどれか。
経過観察
放射線治療
精巣の針生検
高位精巣摘除術
殺細胞性抗癌薬

解答: d

118A16の解説

【ポイント】
30歳前後の男性の「陰嚢の腫大」と来たら、精巣腫瘍をまず思い浮かべよう。LDは上昇しているも、hCGとAFPが基準値内であるため、セミノーマが考えやすい。

【選択肢考察】
a さらなる進行の前に手を打つべきである。
b 手術後に放射線治療を追加することはあるが、「まず行う対応」ではない。
c 精巣腫瘍の針生検は一般に★禁忌★。
d 正しい。精巣腫瘍に対して、まず行うべき対応である。
e 手術後に殺細胞性抗癌薬を投与することはあるが、「まず行う対応」ではない。

正答率:96%

テーマ:セミノーマにまず行うべき対応

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