117F72

診断に有用な検査はどれか。
KL-6
Dダイマー
フェリチン
β-Dグルカン
プロカルシトニン

解答: b

117F72の解説

【プロセス】
①胸痛と呼吸困難
②息を吸うと痛みが悪化→深呼吸ができない
③3か月前から経口避妊薬を内服
④頸静脈の怒張を認める
⑤心音はII音の亢進
⑥右下腿に浮腫
⑦動脈血ガス分析にてpH 7.48、PaCO2 26Torr、PaO2 52Torr、HCO3- 19.0mEq/L
⑧心電図はI誘導で深いS波、III誘導でQ波とT波の陰転化
⑨胸部造影CT(次の問題にて提示)にて両側肺動脈内に造影欠損
☞CBTと異なり、国家試験は先の問題も読める。そのため、3問目の画像を先に見てしまうのが簡単だろう。⑨の造影欠損は血栓によるものであり、肺血栓塞栓症と診断される。①②の症候がみられること、③がリスクとなること、肺にて通行障害がある為その手前で④がみられること、肺高血圧症をきたし⑤(IIp音)を聴取すること、原発と考えられる右下肢の深部静脈血栓〈DVT〉により⑥がみられること、過換気による代償でPaCO2が低下して呼吸性アルカローシスをきたすこと(⑦)、心電図にてS1Q3T3と呼ばれる⑧の変化がみられること、すべて教科書的知識であり重要だ。

【選択肢考察】
a KL-6は間質性肺炎にて上昇する。
b 正しい。Dダイマーは血栓の存在下で上昇する。
c フェリチンは貯蔵鉄である。肺血栓塞栓症とは直接の関係がない。参考までに、ヘモクロマトーシス、成人Still病、血球貪食症候群の3つでフェリチンが高度上昇することを覚えておこう。
d β-Dグルカンは真菌感染にて上昇する。
e プロカルシトニンは細菌性敗血症の鑑別と重症度判定に有効。

正答率:99%

テーマ:【長文2/3】肺血栓塞栓症の診断に有用な検査

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