117F58

46歳の男性。右母趾基部の疼痛を主訴に来院した。昨年も同様の症状があり、その時は翌日軽快した。先月から高血圧症と脂質異常症に対して投薬治療を受けている。2日前に友人とゴルフに行き、飲酒した後に疼痛が出現した。今回は症状が改善しないため受診した。身長171cm、体重82kg。右第一中足趾節関節に発赤と疼痛を伴う腫脹を認める。明らかな結節はない。
この患者の症状出現の誘因とならないのはどれか。
飲酒
運動
脱水
スタチンの開始
降圧利尿薬の開始

解答: d

117F58の解説

【プロセス】
①46歳の男性
②右母趾基部の疼痛
③昨年も同様の症状(翌日軽快)
④高血圧症と脂質異常症
⑤友人とゴルフに行き、飲酒した後に疼痛が出現
⑥身長171cm、体重82kg(→BMI 28)
⑦右第一中足趾節関節に発赤と疼痛を伴う腫脹
☞肥満(⑥)や生活習慣病(④)の背景がある中年男性(①)の「足の親指の付け根」に症状(②⑦)。運動+飲酒がトリガーとなっており(⑤)、反復している(③)。痛風が考えやすい。

【選択肢考察】
a アルコール摂取は痛風のリスクである。
b 運動により痛風発作が出現しやすい。
c 脱水にて血液が濃縮し、関節腔内へ尿酸が析出しやすくなる。
d 誤り。スタチンは高コレステロール血症の治療薬であり、痛風とは直接の関係がない。
e 特にサイアザイド系の利尿薬は血中の尿酸値を上昇させることが有名である。

正答率:86%

テーマ:痛風の症状出現の誘因

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