117F57

14歳の男子。学校検尿で蛋白尿を指摘され来院した。第1次検査と第2次検査の結果を別に示す。受診結果が判明するまでは、部活動顧問教諭からバスケット部の活動を中止するよう指示されている。自覚症状はない。身長165cm、体重50kg。血圧110/66mmHg。眼瞼に浮腫を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。早朝尿所見:蛋白(-)(9mg/dL)、潜血(-)。随時尿所見:蛋白3+(560mg/dL)、潜血(-)。血液所見と血液生化学所見とに異常を認めない。腎超音波検査で異常を認めない。
適切な生活指導はどれか。
「入院治療が必要です」
「自宅安静が必要です」
「体育実技は見学してください」
「軽い運動だけ参加してください」
「運動制限は必要ありません」

解答: e

117F57の解説

【プロセス】
①14歳の男子(身長165cm・体重50kg→BMI 18.4)
②第1次検査の結果(画像左)では蛋白1+のみを指摘
③第2次検査の結果(画像右)では早朝尿で蛋白陰性、新鮮尿で蛋白3+(定量325mg/dL)
④血液検査・腎超音波検査で異常なし
☞痩せ型の思春期小児(①)にみられた、間欠的尿蛋白(②③)。④より腎機能低下や器質的な異常は否定的であり、この場合は体位性蛋白尿(起立性蛋白尿)が考えやすい。これは痩せ型の体型のため、起立時や腰を曲げたりした際に腎が圧迫されて蛋白尿がみられやすくなるものであり、良性かつ無害性である。

【選択肢考察】
a 入院治療は必要ない。
b 自宅安静は必要ない。
c 体育実技は参加可能。見学する必要はない。
d 運動制限は必要ない。
e 正しい。良性かつ無害性であるため、運動制限は必要ない。

正答率:82%

テーマ:学校検尿で尿蛋白を指摘された中学生への生活指導

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