117F54

1か月の女児。1か月健診で心雑音を指摘され、母親に連れられて来院した。普段は元気にしており、哺乳も良好だという。自宅で母乳を飲んでから約2時間30分が経過している。身長と体重の計測をしている際に目覚め、診察を待っている間に泣き出した。診察室で胸部の聴診を試みたが、母親に抱かれていても泣き続けており、聴診は困難である。
心雑音を評価するために最も適切な対応はどれか。
薬剤による鎮静を行う。
おもちゃを手に持たせて遊ばせる。
母乳を与えてから再度聴診を試みる。
聴診をあきらめて心エコー検査を行う。
アニメーションビデオを用いて興味をひく。

解答: c

117F54の解説

【プロセス】
①1か月健診で心雑音を指摘
②自宅で母乳を飲んでから約2時間30分が経過
③診察を待っている間に泣き出した
④母親に抱かれていても泣き続けており、聴診は困難
☞①より何かしらの心疾患が疑われるが、詳細は不明。③④より、まずは泣き止ませることが先決。

【選択肢考察】
a MRI施行時など、やむを得ない際に薬剤による鎮静を行うこともあるが、聴診のためだけに外来で薬剤による鎮静を行うことはまず無い。侵襲を伴う対応であり、少なくとも、現時点でまず行うべきではない。
b おもちゃを手に持って遊べるのは早くて3か月ころ。指で物をつまんだり、手から手へ持ち替えることができるのが生後半年以降であることからも、1か月児におもちゃで遊ばせるのは難しいことが分かるだろう。
c 正しい。一般に1か月児は3時間おき(1日8回)程度の哺乳が必要であり、②は微妙なラインだが、少なくとも約2時間30分が経過している以上、満腹ということはありえない。試してみる価値はあるだろう。
d 聴診をあきらめざるを得ないこともあるだろう。が、心エコー検査にしても啼泣時には実施困難であり、同じ話である。
e もう少し成長した小児であれば、YouTubeなどを見せることで泣き止む可能性が高いが、1か月児はまだ目もよく見えておらず、効果は低い。

正答率:90%

テーマ:泣き続ける1か月児の心雑音を評価するために適切な対応

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