117F53

11歳の男児。右下腹部痛を主訴に母親に連れられて来院した。朝からみぞおち付近の不快感を自覚していたが、学校に登校した。給食後に嘔吐し、腹痛が次第に増強したため受診した。体温38.5℃。脈拍108/分、整。血圧118/62mmHg。呼吸数22/分。SpO2 99%(room air)。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は右下腹部に限局した圧痛を認め、筋性防御を認める。血液所見:赤血球430万、Hb 12.6g/dL、Ht 40%、白血球13,500、血小板25万。血液生化学所見:総蛋白6.8g/dL、アルブミン4.0g/dL、AST 20U/L、ALT 10U/L、尿素窒素12mg/dL、クレアチニン0.5mg/dL、Na 140mEq/L、K 4.0mEq/L、Cl 102mEq/L。CRP 8.2mg/dL。腹部超音波像を別に示す。
この患者で予測される身体所見はどれか。
Dance徴候
Murphy徴候
Rosenstein徴候
Courvoisier徴候
Grey-Turner徴候

解答: c

117F53の解説

【プロセス】
①朝からみぞおち付近の不快感を自覚
②嘔吐し、腹痛が次第に増強
③腹部は右下腹部に限局した圧痛を認め、筋性防御
④体温38.5℃・白血球13,500・CRP 8.2mg/dL
⑤腹部超音波像にて腫大した虫垂と先端部に糞石と思しき構造物
☞①〜③の典型的エピソード、④の細菌感染を示唆する所見から十分に想像がつくが、⑤で確定的となる。急性虫垂炎の診断。

【選択肢考察】
a Dance徴候は腸重積症でみられる。
b Murphy徴候は急性胆嚢炎でみられる。
c 正しい。左側臥位でMcBurney点の疼痛が増強する徴候であり、急性虫垂炎にてみられる。
d Courvoisier徴候は胆管結石や胆管癌でみられる。
e Grey-Turner徴候は急性膵炎でみられる。

正答率:95%

テーマ:急性虫垂炎で予想される身体所見

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