117F48

63歳の男性。2か月前から咳嗽が出現し、改善しないため来院した。身長167cm、体重65kg。体温36.2℃。脈拍62/分、整。血圧124/80mmHg。呼吸数14/分。SpO2 95%(room air)。心音に異常を認めない。呼吸音は左上肺野で軽度減弱を認める。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。胸部エックス線写真で左上肺野に結節影を認めた。FDG-PET像を別に示す。精査により、肺扁平上皮癌、臨床病期IIIA期と診断され、化学放射線療法の適応と判断された。
この患者で、放射線療法単独と比べ薬物による抗癌治療を併用する意義はどれか。
生命予後の改善
白血球減少の抑制
放射線肺炎の予防
放射線食道炎の予防
放射線皮膚炎の軽減

解答: a

117F48の解説

【プロセス】
①肺扁平上皮癌、臨床病期IIIA期と診断され、化学放射線療法の適応
②画像にて左上葉の原発巣と肺門リンパ節と縦隔リンパ節への転移
☞放射線療法単独と比べ薬物による抗癌治療を併用する意義が問われている。なお、抗癌剤を併用したとしても、放射線療法単独のときと比べて放射線の線量は原則として変わらない。ゆえに「放射線照射による合併症が予防できる or 低減する」系の選択肢は原則として誤りである。

【選択肢考察】
a 正しい。生命予後の改善が見込めるからこそ、放射線と抗癌剤を併用する。
b 抗癌剤を併用することで、白血球減少はむしろ増悪する。
c 冒頭で述べた通り、誤り。
d 冒頭で述べた通り、誤り。
e 冒頭で述べた通り、誤り。

正答率:91%

テーマ:放射線療法単独ではなく抗癌治療を併用する意義

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