75歳の女性。全身倦怠感を主訴に来院した。1年前に骨転移を伴う進行肺小細胞癌と診断され、腰椎骨転移に対して放射線照射を施行後、薬物による抗癌治療が行われたが効果が乏しく、3か月前から薬物による抗癌治療は行わない方針となった。1週間前から全身倦怠感が著明となり入院した。意識は清明であるが受け答えは緩慢である。身長161cm、体重42kg。体温36.9℃。脈拍104/分、整。血圧112/62mmHg。呼吸数20/分。SpO2 95%(room air)。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。腰背部に叩打痛を認める。胸腹部・骨盤部CTで多発腰椎転移の増悪を認めたが、既に放射線照射を施行した部位であり、再照射は不可能と判断された。疼痛コントロールのためオキシコドン20mg/日の経口投与を開始したが、5日経過後も疼痛コントロールは十分でなく、嚥下障害で内服が困難となったため経口薬を中止した。
オピオイドローテーションとして適切なのはどれか。
高用量塩酸モルヒネを急速静注する。
塩酸モルヒネを経鼻胃管から投与する。
オキシコドンの持続点滴静注を開始する。
モルヒネ塩酸塩水和物坐薬を3時間ごとに投与する。
フェンタニル口腔粘膜吸収剤を1時間ごとに投与する。