117E48

呼吸状態と循環状態が安定したため全身CTを施行したところ、前頭蓋底骨折、外傷性クモ膜下出血、多発肋骨骨折および腸管の拡張を認めた。
胃内減圧を目的とした胃管挿入の手順で誤っているのはどれか。
仰臥位のまま挿入する。
鼻から挿入する。
抵抗に注意しながら挿入する。
吸引して胃内容物を確認する。
胸部エックス線写真で位置を確認する。

解答: b

117E48の解説

【選択肢考察】
a 通常の手技では座位〜半坐位にて挿入を行うが、前頭蓋底骨折がみられている本患者では上体を起こすと髄液漏をきたす危険性がある。また、外傷性くも膜下出血もあり、頸髄損傷等についても評価がなされていない。そのため、頭部をあまり動かしたくない。こうしたケースでは仰臥位のまま挿入することもある。
b 誤り。前頭蓋底骨折があるケースでは、鼻からの挿入にてカテーテルが頭蓋内に迷入する危険性があるため、禁忌となる。
c 咽頭部や食道部の通過時、抵抗をみることがある。強引に挿入することで、損傷を生じさせてしまう危険性もあるため、注意しつつ挿入したい。
d 適切に胃内へ挿入できていれば、胃内容物が吸引できるはずだ。これを確認したい。
e 適切に挿入できているか、胸部エックス線写真で確認するのが確実である。

正答率:39%

テーマ:【長文2/2】頭蓋底骨折のある患者に対する胃管挿入手順について

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