117E36

日齢28の男児。1か月健康診査のため両親に連れられて来院した。在胎38週、体重3,000gで出生した。出生後の経過は問題なく、日齢5に体重2,800gで産科診療所から退院した。母親は24歳、初産のため育児に自信がなく、母乳量の不足を心配している。受診時の体重3,600g。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟。皮膚は黄染なし。外陰部に異常を認めない。自宅で平均的な24時間の排尿は10回、排便は3回、母親が記録した哺乳状況を別に示す。
対応で正しいのはどれか。
人工乳に変更する。
母乳を与える回数を増やす。
母乳添加用粉末を追加する。
母乳量は十分であると伝える。
母乳と人工乳との混合栄養に変更する。

解答: d

117E36の解説

【プロセス】
①日齢28の男児
②体重3,000gで出生
③出生後の経過は問題ない
④日齢5に体重2,800g
⑤母親は24歳、初産のため育児に自信がなく、母乳量の不足を心配
⑥受診時(日齢28)の体重3,600g
⑦自宅で平均的な24時間の排尿は10回、排便は3回
⑧母親が記録した哺乳状況では哺乳時間は全て20分未満であり、哺乳回数は9回/日(24÷9≒2.7時間おき>2時間おき)
☞新生児(①)の母乳哺育(⑤)について考える問題。②→④は7%(<10%)減であり、生理的体重減少の範囲内。④→⑥は23日間で800g増えており、1日あたり30g以上の増加があるため正常。⑦⑧も正常範囲内であり、母乳不足や人工乳への切り替えの必要性は感じない。③と合わせ、健常な新生児と言えよう。⑤で母親が不安になっていることが読み取れるため、「大丈夫です」と声がけをし、安心させてあげたい。

【選択肢考察】
a 人工乳に変更する必要はない。
b 母乳を与える回数は現状で問題ない。
c 体重増加は十分であり、母乳添加用粉末を追加する必要はない。
d 正しい。現状で問題ないことを伝えたい。
e 母乳のみで十分な栄養が取れている以上、人工乳との混合栄養に変更する必要はない。

正答率:81%

テーマ:新生児の哺乳記録の判断

フォーラムへ投稿

関連トピック

なし