117E37

70歳の女性。右手の痛みを主訴に救急外来を受診した。前日に飼育している猫に手を咬まれ、自宅で消毒したが次第に発赤と疼痛が増強したため来院した。高血圧症で降圧薬を内服している。意識は清明。身長155cm、体重60kg。体温37.1℃。脈拍72/分、整。血圧136/82mmHg。呼吸数14/分。SpO2 98%(room air)。右手背に2か所、右手掌に2か所咬傷を認め、同部位に発赤、腫脹および圧痛を認める。排膿はない。運動障害と感覚障害は認めない。創部の洗浄と消毒を行った。
さらに加えるべき対応で正しいのはどれか。
創部を温める。
創部を縫合する。
抗菌薬を投与する。
右前腕を強く縛る。
猫の口腔内スワブを培養する。

解答: c

117E37の解説

【プロセス】
①前日に飼育している猫に手を咬まれた
②右手背に2か所、右手掌に2か所咬傷を認め、同部位に発赤、腫脹および圧痛を認める
③創部の洗浄と消毒を行った
☞動物咬傷(①②)に対し、③の次に行うスタンダードな対応が問われている。

【選択肢考察】
a たとえ医療者でなくとも、発赤・腫脹・圧痛を認める創部を温めようとは思わないだろう。増悪必定。
b 雑菌を封じ込めてしまう恐れがあるため、創部を縫合はしない。
c 正しい。細菌感染を予防すべく、抗菌薬を投与する。
d 止血が困難な出血が持続しているケースや、マムシ咬傷など毒素注入を疑うケースへの対応である。
e 培養するのであれば、創部から行う。我々は獣医ではないので、動物を直接扱うことは原則しない。

正答率:79%

テーマ:猫に手を咬まれた患者への対応

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