117E33

72歳の女性。歩く速度が遅くなったことを主訴に娘とともに来院した。最近は電車やバスを利用して外出する頻度が減り、横断歩道を青信号のうちに渡りきることが困難になった。食欲が以前より減り、ふさぎ込みがちだという。骨粗鬆症で内服治療中である。身長155cm、体重38kg。体温36.5℃。
研修医と指導医の会話を示す。
指導医:「この患者さんの状態は、ロコモティブシンドロームと考えられます。今後、どのような問題が生じますか」
研修医:「早めに対応しないと要介護の必要性が増加します」
指導医:「それではどのような対応が適切でしょうか」
研修医:「①上下肢の筋力訓練②栄養指導③こころの健康への配慮も必要です。④転倒予防の指導も重要で、⑤外出は禁止すべきです」
下線部で示した対応のうち誤っているのはどれか。

解答: e

117E33の解説

【プロセス】
与えられた情報をもとに、下線部の適否について1つずつ検討するタイプの問題。

【選択肢考察】
a 「歩く速度が遅くなった」「ロコモティブシンドロームと考えられる」といった記載より、筋力訓練は有効。
b 「食欲が以前より減った」という記載より、栄養指導が有効。
c 「ふさぎ込みがち」という記載より、こころの健康への配慮も必要。
d 「歩く速度が遅くなった」「ロコモティブシンドロームと考えられる」といった記載より、転倒予防の指導は有効。
e 誤り。外出により、適度な運動や人との触れ合いをすることが重要。外出禁止は現状をさらに悪化させかねない。

正答率:100%

テーマ:ロコモティブシンドロームへの対応

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