117E27

8か月の男児。けいれんが続くため自宅でジアゼパムの坐薬を使用したが、けいれんが消失しないため救急車で搬入された。熱性けいれん重積の既往がある。来院時、呼びかけに反応せず、口から泡を吹き、上下肢の強直間代性けいれんが30分以上持続している。体温38.6℃。心拍数156/分、整。呼吸数24/分。SpO2 92%(room air)。フェイスマスクから2L/分の酸素を投与したところSpO2は98%に上昇した。末梢静脈路を確保した。
次に行うべき対応はどれか。
経過観察
解熱薬の投与
経鼻胃管の留置
ジアゼパムの静脈内投与
気管挿管による人工呼吸

解答: d

117E27の解説

【プロセス】
①8か月の男児
②けいれんが続くため自宅でジアゼパムの坐薬を使用したが、けいれんが消失しない
③熱性けいれん重積の既往
④呼びかけに反応せず、口から泡を吹き、上下肢の強直間代性けいれんが30分以上持続
⑤末梢静脈路を確保した
☞乳児のけいれん重積(①②④)。熱性けいれんは約1/3の症例で再発することが知られ(See 108I54-e)、③を考慮するに今回も熱性けいれんの可能性が高い。⑤は「静脈からの薬剤投与はスタンバイOK!」という出題者のメッセージであろう。

【選択肢考察】
a ④の状況下で経過観察はありえない。
b 解熱ではなく、けいれんを止めることが最優先となる。
c 栄養投与をしたいときなどの対応であり、ナンセンス。
d 正しい。けいれん重積の第一選択となる治療はジアゼパムの静脈内投与である。
e 酸素投与によりSpO2が98%に上昇しており、気管挿管による人工呼吸は必要ない。

正答率:96%

テーマ:けいれん重積への対応

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