117D71

8歳の男児。足首の痛みと足背の皮疹とを主訴に両親に連れられて来院した。3日前から足背と下腿に皮疹が出現し、昨日から腹痛と足関節痛を訴えている。体温36.5℃。脈拍76/分、整。血圧90/54mmHg。両側の足背に皮疹を認める。眼球結膜に異常を認めない。咽頭発赤なし。頸部リンパ節を触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、臍周囲に軽度圧痛を認める。右足の皮膚所見を別に示す。
この患児で最も考えられるのはどれか。
川崎病
血友病
IgA血管炎
若年性特発性関節炎
血栓性微小血管障害症

解答: c

117D71の解説

【プロセス】
①8歳の男児
②3日前から足背と下腿に皮疹が出現
③昨日から腹痛と足関節痛
④眼球結膜に異常を認めない
⑤咽頭発赤なし
⑥頸部リンパ節を触知しない
⑦右足の皮膚所見にて紫斑の散在
☞小児(①)の下肢を中心とした紫斑(②⑦)と腹痛・関節痛(③)であり、IgA血管炎〈Schönlein-Henoch紫斑病〉が考えやすい。

【選択肢考察】
a ④〜⑥より否定的。
b 血友病であれば幼少期から出血傾向がみられている可能性が高い。
c 正しい。上記の通り。
d 小児であること、関節痛があることは説明つくが、その他の所見(腹痛など)が説明つかない。
e 血小板減少や破砕赤血球の出現をみる。与えられた情報から「最も考えられる」疾患ではない。

正答率:95%

テーマ:IgA血管炎の診断

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