117D68

30歳の男性。排尿時痛と尿道からの膿性分泌物を主訴に来院した。5日前に性交渉を持ち、その後痛みが生じるようになったという。尿所見:蛋白(-)、糖(-)、潜血(-)、沈渣に赤血球0~5/HPF、白血球50~100/HPFを認める。分泌物のGram染色でGram陰性双球菌を認めた。
この疾患で誤っているのはどれか。
咽頭炎の原因となる。
クラミジアとの混合感染がある。
診断にはPCR検査が有用である。
女性では骨盤炎症性疾患の原因となる。
ニューキノロン系抗菌薬が第一選択薬である。

解答: e

117D68の解説

【プロセス】
①排尿時痛と尿道からの膿性分泌物
②5日前に性交渉
③分泌物のGram染色でGram陰性双球菌
☞②後の①であり、性感染症を疑う。③と合わせ、淋菌性尿道炎であろう。

【選択肢考察】
a 淋菌性咽頭炎という病態がある。
b 20〜30%程度にクラミジアとの混合感染があるため、淋菌感染を疑った場合、クラミジアも合わせて確認するとよい。
c PCR検査にて確定診断が可能。
d 女性の骨盤炎症性疾患の原因となりやすく、これはクラミジアも同じである。
e 誤り。ニューキノロン耐性株が増えてきており、現在の第一選択薬はセフェム系抗菌薬(セフトリアキソン;点滴静注)またはアミノグリコシド系抗菌薬(スペクチノマイシン;筋注)である。

正答率:68%

テーマ:淋菌性尿道炎について

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