117D59

87歳の女性。自宅で倒れているところを知人が発見し救急車で搬入された。認知機能低下と脱水症の診断で入院加療を開始した。入院4日目に右臀部から膝窩にかけて水疱を伴う皮疹が出現し、痛みを訴えている。意識レベルはJCS II-10。身長158cm、体重41kg。血液所見:赤血球288万、Hb 7.1g/dL、Ht 23%、白血球7,760(桿状核好中球2%、分葉核好中球84%、好酸球1%、好塩基球1%、単球3%、リンパ球9%)、血小板16万。血液生化学所見:総蛋白4.5g/dL、アルブミン2.2g/dL、総コレステロール105mg/dL。
皮疹に対して投与すべきものはどれか。
アシクロビル
イトラコナゾール
ST合剤
ベンジルペニシリン
メトロニダゾール

解答: a

117D59の解説

【プロセス】
①87歳の女性
②右臀部から膝窩にかけて水疱を伴う皮疹が出現(画像所見の解説ともなっている)
③痛みを伴う
☞痛みを伴う水疱(②③)ときたらヘルペスウイルスによる病態を疑う。高齢者(①)では免疫能が低下し、帯状疱疹(水痘・帯状疱疹ウイルス〈VZV〉;HHV-3による)が出現しやすい。選択肢中に抗ウイルス薬は1つしかなく、正答率は極めて高かった。

【選択肢考察】
a 正しい。VZVにはアシクロビルが有効。
b イトラコナゾールは抗真菌薬である。
c ST合剤はニューモシスチス肺炎などに有効。
d ベンジルペニシリン(ペニシリンG)は抗菌薬である。
e メトロニダゾールは原虫や嫌気性菌に有効。

正答率:97%

テーマ:帯状疱疹の治療薬

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