117D55

20歳の男性。左陰嚢の腫瘤を主訴に来院した。1年前から陰嚢上部の腫瘤に気付いていた。夕方になると時々左陰嚢に鈍痛を自覚することがあった。立位での左陰嚢上部の写真(A)を別に示す。破線で囲まれた部位に腫瘤を触知する。腫瘤は柔らかく、仰臥位で縮小し立位で腹圧を加えると腫大する。臥位での破線部の安静時超音波像(B)と腹圧時カラードプラ超音波像(C)を別に示す。
この患者に生じる可能性が高いのはどれか。
射精障害
造精機能障害
蓄尿障害
排尿障害
勃起障害

解答: b

117D55の解説

【プロセス】
①20歳の男性
②左陰嚢の腫瘤(1年前から)
③夕方になると時々左陰嚢に鈍痛を自覚
④立位での左陰嚢上部の写真(A)にて精索に沿った隆起
⑤腫瘤は柔らかく、仰臥位で縮小し立位で腹圧を加えると腫大
⑥臥位での破線部の安静時超音波像(B)にて拡張した血管と思われる領域
⑦腹圧時カラードプラ超音波像(C)にて血流のうっ滞
☞①②からは精巣腫瘍も考えるが、③の日内変動や④の画像から精巣自体ではなく、精索の病態が考えやすい。⑤〜⑦より血管の異常が疑われ、総合的に精索静脈瘤と判断する。

【選択肢考察】
a 精液の大部分は前立腺液である。たとえ造精機能障害が起こっても射精は可能。
b 正しい。血流のうっ滞により精巣温度が上昇し、造精機能障害をみる。
c 神経系や尿路系のトラブルではない。
d 神経系や尿路系のトラブルではない。
e 神経系に異常はなく、また動脈の流入も保たれる。ゆえに勃起障害はみない。

正答率:97%

テーマ:精索静脈瘤の合併症

フォーラムへ投稿

関連トピック

なし