117D51

8歳の男児。38.8℃の発熱を主訴に母親に連れられて来院した。2歳ごろから時々高熱をきたし、自宅近くの医療機関で経口抗菌薬による保存的治療を受けていた。尿所見:蛋白1+、糖(-)、ケトン体(-)、潜血1+、沈渣に赤血球1~4/HPF、白血球50~99/HPFを認める。尿路感染と診断し、入院のうえ、セフェム系抗菌薬の点滴治療を行った。解熱後に行った排尿時膀胱尿道造影像を別に示す。
この患児について正しいのはどれか。2つ選べ
染色体検査を行う。
両側に腎瘻を造設する。
両側に尿管カテーテルを留置する。
腎盂腎炎の予防に抗菌薬を投与する。
99mTc-DMSA腎シンチグラフィを行う。

解答: d,e

117D51の解説

【プロセス】
①8歳の男児
②38.8℃の発熱
③2歳ごろから時々高熱
④尿路感染と診断(尿沈渣に白血球50~99/HPF)
⑤解熱後に行った排尿時膀胱尿道造影像にて膀胱から両側尿管への逆流あり
☞小児(①)の反復する発熱(②③)。尿路感染とすでに診断されており(④)、抗菌薬治療もなされている。原因の検索フェーズにおいて、⑤から膀胱尿管逆流〈VUR〉の存在が分かる。

【選択肢考察】
a VURには遺伝的側面が指摘されているが、染色体異常ではない。
b 尿路の閉塞はないため、腎瘻は必要ない。
c 尿路の閉塞はないため、尿管カテーテルは必要ない。
d 正しい。再発性の尿路感染をきたしており、抗菌薬の予防投与が有効。
e 正しい。99mTc-DMSA腎シンチグラフィにて残腎障害の評価を行う。

正答率:38%

テーマ:膀胱尿管逆流〈VUR〉について

フォーラムへ投稿

関連トピック

なし