117D49

生後1時間の男児。在胎38週、体重4,100g、帝王切開で出生した。Apgarスコアは8点(1分)、9点(5分)。母親は33歳、初産で妊娠糖尿病と診断されていたが、定期的な妊婦健康診査を受診していなかった。体温37.2℃。心拍数140/分、整。血圧72/48mmHg。呼吸数50/分。SpO2 98%(room air)。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は軽度の膨隆を認める。肝臓を右肋骨弓下に1cm触知するが、脾臓は触知しない。皮膚は赤く、末梢性チアノーゼを認める。
直ちに行うべき検査はどれか。
血糖測定
心エコー検査
頭部超音波検査
ビリルビン測定
胸部エックス線検査

解答: a

117D49の解説

【プロセス】
①生後1時間の男児
②体重4,100g、帝王切開で出生
③Apgarスコア問題なし
④母親は妊娠糖尿病と診断されていた
⑤腹部は軽度の膨隆・肝臓を右肋骨弓下に1cm触知・皮膚は赤く、末梢性チアノーゼを認める
☞⑤は①のタイミングとしては生理的な範囲内であり、③と合わせ、現状特に大きな問題はないかのように思える。が、④より巨大児(②)となっている(おそらく大きいため経腟分娩が困難だったのであろう)。妊娠糖尿病の母体から出生した児で確認しておきたい指標はなかったか、思い出そう。

【選択肢考察】
a 正しい。妊娠糖尿病の母体から生まれた児は低血糖をきたしやすいため、血糖測定で確認する。
b SpO2は正常であり、心音と呼吸音とに異常を認めていない。そのため、心疾患は否定的である。
c 新生児仮死を認めておらず、けいれん等の頭蓋内病変を示唆する所見もない。
d 黄疸は認めておらず、測定する必要性に乏しい。
e SpO2は正常であり、心音と呼吸音とに異常を認めていない。そのため、胸部エックス線検査で判明する異常が存在するとは考えにくい。

正答率:88%

テーマ:新生児低血糖を疑う児に直ちに行うべき検査

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