117D47

52歳の男性。飲食物の飲み込みにくさと話しにくさを主訴に来院した。生来健康である。1週間前に台風による河川の氾濫で自宅に土石が流れ込み、サンダルを履いて片付け作業をしていたが、転倒して下腿に挫創を負った。意識は清明。体温37.1℃。脈拍124/分、整。血圧100/52mmHg。呼吸数24/分。うまく話すことができない。顔面の筋肉がこわばり開口障害を認める。下腿挫創部の周囲にわずかな発赤を認める。膿の付着は認めない。
用いるべき治療薬はどれか。2つ選べ
アマンタジン塩酸塩
アムホテリシンB
アンジオテンシン変換酵素〈ACE〉阻害薬
抗破傷風ヒト免疫グロブリン
メトロニダゾール

解答: d,e

117D47の解説

【プロセス】
①河川の氾濫で自宅に土石が流れ込み、サンダルを履いて片付け作業をしていたが、転倒して下腿に挫創を負った
②顔面の筋肉がこわばり開口障害(うまく話すことができない)
③下腿挫創部の周囲にわずかな発赤
☞外傷(①)により、③の部分から感染したと考えられる。②の症候からは破傷風が考えやすい。

【選択肢考察】
a Parkinson病やインフルエンザに有効。
b 真菌感染に有効。
c 高血圧や誤嚥傾向に有効。
d 正しい。抗破傷風ヒト免疫グロブリンの投与により、血中の毒素を中和する。
e 正しい。破傷風の起炎菌(Clostridium tetani)にはメトロニダゾールが有効。

正答率:48%

テーマ:破傷風の治療薬

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