117D30

28歳の男性。発熱と咳嗽を主訴に来院した。3日前から咳嗽があり、2日前から39℃の悪寒戦慄を伴う発熱が出現し、改善しないため受診した。既往歴に特記すべきことはない。喫煙歴はない。周りで同様の症状の人はいない。意識は清明。体温38.9℃。脈拍120/分、整。血圧120/70mmHg。呼吸数24/分。SpO2 97%(room air)。右下肺野にcoarse cracklesを聴取する。胸部エックス線写真(A)と喀痰のGram染色標本(B)とを別に示す。
最も考えられるのはどれか。
肺結核
肺炎球菌肺炎
レジオネラ肺炎
クレブシエラ肺炎
黄色ブドウ球菌肺炎

解答: b

117D30の解説

【プロセス】
①発熱と咳嗽
②右下肺野にcoarse cracklesを聴取
③胸部エックス線写真(A)にて右下肺野の浸潤影
④喀痰のGram染色標本(B)にて陽性双球菌
☞①〜③より肺炎と分かる。④がすべてであろう。肺炎をきたしやすいGram陽性双球菌ときたら肺炎球菌である。

【選択肢考察】
a 肺結核はGram染色無効である。
b 正しい。上記の通り。
c レジオネラはGram染色無効である。
d クレブシエラはGram陰性桿菌である。
e 黄色ブドウ球菌肺炎はGram陽性菌だが、染色上、ブドウの房状(クラスター状)の集積がみられる。

正答率:99%

テーマ:肺炎球菌肺炎の診断

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