117D23

3歳の男児。発熱と右眼の充血を主訴に母親に連れられて来院した。2日前から発熱があり、のどの痛みを訴えていた。本日、右眼の充血に気付いたという。体温38.8℃。脈拍104/分、整。呼吸数24/分。右眼瞼結膜および眼球結膜は充血し、眼脂を認める。咽頭は発赤し、口蓋扁桃に白苔の付着を認める。口腔内に水疱なし。頬粘膜に白斑なし。歯肉腫脹なし。両側の頸部に径1cmのリンパ節を数個ずつ触知する。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。頬部を含む皮膚に皮疹を認めない。
原因として最も可能性が高いウイルスはどれか。
麻疹ウイルス
アデノウイルス
パルボウイルスB19
コクサッキーウイルス
単純ヘルペスウイルス

解答: b

117D23の解説

【プロセス】
①3歳の男児
②発熱と右眼の充血
③のどの痛み・咽頭は発赤し、口蓋扁桃に白苔の付着
④口腔内に水疱なし
⑤頬粘膜に白斑なし
⑥歯肉腫脹なし
⑦両側の頸部に径1cmのリンパ節を数個ずつ触知
⑧頬部を含む皮膚に皮疹を認めない
☞小児(①)にみられる発熱・眼症状・咽頭症状(②③)とリンパ節腫脹(⑦)であり、アデノウイルスによる咽頭結膜熱が考えやすい。

【選択肢考察】
a ⑤(Koplik斑なし)より、麻疹は否定的。
b 正しい。上記の通り。
c ⑧より、パルボウイルスB19感染は否定的。
d ④より、コクサッキーウイルス感染は否定的。
e 単純ヘルペスウイルスの初感染時には歯肉口内炎をきたしやすいことが知られる。⑥より否定的。

正答率:95%

テーマ:アデノウイルス感染症の診断

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