117D21

49歳の女性(3妊2産)。外陰部腫瘤と疼痛を主訴に来院した。半年前から外陰部に痒みを自覚し、市販の軟膏を塗布していた。3か月前から腫瘤を触知するようになり、2週間前から疼痛が出現したため受診した。既往歴と家族歴に特記すべきことはない。身長160cm、体重52kg。身体所見に異常を認めない。血液所見と血液生化学所見とに異常を認めない。外陰部病変の生検結果は浸潤扁平上皮癌で、十分な切除範囲を得るために肉眼的病変部の2cm外側皮膚の生検を行ったところ、生検部位に異常を認めなかった。外陰部全体の全体像(A)と病変部(B)を別に示す。
この患者に根治的手術治療を行う場合に摘出しないのはどれか。
陰核
会陰
肛門
小陰唇
大陰唇

解答: c

117D21の解説

【プロセス】
①半年前から外陰部に痒み
②3か月前から腫瘤を触知・2週間前から疼痛
③外陰部病変の生検結果は浸潤扁平上皮癌
④十分な切除範囲を得るために肉眼的病変部の2cm外側皮膚の生検→生検部位に異常なし
⑤外陰部の写真(A・B)にて外陰癌
☞③ですでに診断はついており、①②の経過、⑤の外観も合致する。ポイントは④である。肉眼的病変部の2cm以内にとどまっていると分かり、ここを摘出することとなる。すなわち、画像Bのメジャーで2cmをイメージしつつ、画像Aを凝視し、病変を中心点とした半径2cmの正円を描き、それより外側にある構造物は摘出不要ということになる。選択肢の中では肛門だ。

正答率:99%

テーマ:外陰癌の根治的手術治療で摘出する解剖構造

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