117D15

腎障害を起こす頻度が高い薬剤はどれか。
スタチン
炭酸リチウム
塩酸メトホルミン
カルシウム拮抗薬
副腎皮質ステロイド

解答: b

117D15の解説

【選択肢考察】
a スタチンの副作用として横紋筋融解症が有名。融解した筋の成分(ミオグロビン)などが腎につまることで腎障害を呈する可能性はある。そのため約20%の受験生が本選択肢を選んでしまった。気持ちは分かる。が、「頻度が高い」という設問誘導であり、他選択肢にもっと高頻度で腎障害を呈するものがある以上、残念ながら正解にはならない。また、「スタチン→腎障害」という直接の関係ではなく、「スタチン→横紋筋融解症→腎障害」と病態の矢印を繋ぐ必要がある時点で、一般問題としては正解になりにくい。
b 正しい。炭酸リチウムは治療薬物モニタリング〈TDM〉が必要な薬物として知られることからも分かるように、中毒に至りやすい。「炭酸リチウムが腎障害を呈することを知らなかった!」という者はお手持ちのテキストや参考書の「腎性尿崩症」の項目、ないし国試過去問110A13-dを今一度確認してほしい。
c 塩酸メトホルミンはビグアナイド系の糖尿病治療薬であり、その副作用としては乳酸アシドーシスが有名。
d カルシウム拮抗薬の多くは肝代謝性であり、腎障害はきたしにくい。
e ネフローゼ症候群の治療に使われていることからも分かるように、副腎皮質ステロイドは腎障害をきたしにくい。

正答率:46%

テーマ:腎障害を起こす頻度が高い薬剤

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