117C46

16歳の男子。約2か月前から「部屋の中を誰かに覗かれている」、「自宅にいても、友達が自分の悪口を言っているのが聞こえる」などと訴えるため、心配した両親に連れられて精神科を受診した。診察した精神保健指定医は、本人に治療したいという気持ちがないため、両親の同意を得て医療保護入院とした。入院7日目、「自分は病気じゃないから退院したい」と言い、担当医が入院の継続を勧めると「退院請求というのを聞いたので手続きをしたい」と訴えた。
退院請求について正しいのはどれか。
病院長の許可が必要である。
口頭では行うことができない。
閉鎖病棟入院中でなければ行えない。
弁護士を代理人として行うことができる。
両親ともに同意している医療保護入院では行えない。

解答: d

117C46の解説

【プロセス】
①約2か月前から「部屋の中を誰かに覗かれている」etc.
②本人に治療したいという気持ちがないため、両親の同意を得て医療保護入院
③「退院請求というのを聞いたので手続きをしたい」
☞①より統合失調症が考えやすい。②は正規のプロセスといえる。が、本人の同意なしに強制入院ができてしまうわけで、救済措置も用意されている。それこそが退院請求(③)や処遇改善請求である。

【選択肢考察】
a 本人の希望で請求を出すことができる。特に誰かしらの許可は必要ない。
b 書面が原則であるが、精神科の入院では特殊なケースも多く、口頭(電話)での請求も認められている。
c 開放病棟であっても閉鎖病棟であっても請求が可能。
d 正しい。家族やその他の代理人を介して行うことができ、「その他の代理人」として多いのは弁護士である。
e 同意者が片親のみか両親か、といった要件は特に無い。

正答率:71%

テーマ:医療保護入院患者の退院請求について

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