117B47

次の文を読み、以下の問いに答えよ。
39歳の女性。動悸と息切れを主訴に来院した。
現病歴:半年前から月経量が増え、3か月前から階段昇降時に動悸と息切れを自覚するようになったため受診した。
既往歴:特記すべきことはない。
生活歴:会社員。一人暮らし。喫煙歴はない。飲酒は機会飲酒。
家族歴:特記すべきことはない。
月経歴:初経13歳。周期28日型、持続10日間。
現 症:意識は清明。身長154cm、体重57kg。体温36.4℃。脈拍96/分、整。血圧126/80mmHg。呼吸数18/分。SpO2 98%(room air)。眼瞼結膜は貧血様である。甲状腺腫と頸部リンパ節とを触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。肝・脾を触知しない。下腹部は軽度膨隆している。内診で、径10cmの腫瘤を触知する。神経診察で異常を認めない。
ある論文に掲載されている眼瞼結膜所見別の貧血患者数では、眼瞼結膜が貧血様だった際の貧血ありが24名・貧血なしが50名、眼瞼結膜が正常だった際の貧血ありが26名・貧血なしが190名であった。
眼瞼結膜の身体所見から貧血を診断する場合、この患者の貧血診断における尤度比を求めよ。
0.2
0.7
1
2.3
4.3

解答: d

117B47の解説

「眼瞼結膜の身体所見から貧血を診断する場合」と誘導が与えられているので、冷静に眼瞼結膜の身体所見を本文から探そう。「眼瞼結膜は貧血様」とある。すなわち、陽性尤度比が答えとして要求されている。ここまで分かれば、あとは公式だ。本問では「陽性尤度比=感度÷(1−特異度)」という公式(①)が使える。感度は「貧血があり、かつ眼瞼結膜が貧血様な者の割合」であるから、ここでは24/50。特異度は「貧血がなく、かつ眼瞼結膜が正常な者の割合」であるから、190/240となる。①へ代入し、2.3が答え。

正答率:97%

テーマ:【長文1/2】尤度比の算出

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