117B45

次の文を読み、以下の問いに答えよ。
59歳の男性。倦怠感、悪心、嘔吐および発熱を主訴に来院した。
現病歴:昨日から倦怠感を自覚していたが、本日、悪心、嘔吐および悪寒戦慄を伴う発熱が出現し、体動困難となったため救急外来を受診した。
既往歴:糖尿病でSGLT2阻害薬を内服している。高血圧と脂質異常症で食事療法を行っている。
生活歴:妻と2人暮らし。喫煙歴はない。飲酒は機会飲酒。
家族歴:父が糖尿病。母が大腸癌。
現 症:意識は清明。身長165cm、体重70kg。体温38.5℃。脈拍92/分、整。血圧120/86mmHg。呼吸数20/分。SpO2 98%(room air)。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。甲状腺腫と頸部リンパ節とを触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部はやや膨満しており腸蠕動音は低下しているが、圧痛や腫瘤は認めない。肝・脾を触知しない。肋骨脊柱角叩打痛は両側とも認めない。
検査所見:尿所見:蛋白(-)、糖2+、潜血(-)、①沈渣に白血球を認めない。血液所見:赤血球522万、Hb 16.2g/dL、Ht 47%、白血球19,600(桿状核好中球3%、分葉核好中球79%、単球6%、リンパ球12%)、血小板17万、PT-INR 1.09(基準0.9~1.1)。血液生化学所見:総蛋白6.9g/dL、アルブミン4.1g/dL、②総ビリルビン1.8mg/dL、直接ビリルビン1.0mg/dL、AST 23U/L、ALT 33U/L、LD 178U/L(基準120~245)、ALP 103U/L(基準38~113)、γ-GT 85U/L(基準8~50)、アミラーゼ45U/L(基準37~160)、CK 144U/L(基準30~140)、尿素窒素20mg/dL、クレアチニン0.87mg/dL、③eGFR 70.1mL/分/1.73m2④尿酸6.0mg/dL、血糖189mg/dL、HbA1c 7.5%(基準4.6~6.2)、⑤Na 136mEg/L、K 4.4mEq/L、Cl 98mEq/L。CRP 11.4mg/dL。
症状の原因を検索するために画像検査が必要と考えた。
下線部のうち、造影CT撮影実施の可否を判断する上で最も重要な情報はどれか。

解答: c

117B45の解説

【プロセス】
長文問題ではあるが、造影CT撮影実施の可否判断材料が問われているにすぎず、実質的な一般問題だ。

【選択肢考察】
a 膿尿がないのは正常であり、造影CTは撮影可能である。
b 総ビリルビンの基準値は1.0mg/dL以下。ゆえに上昇がみられている。が、高度上昇しているわけではないため、特に造影CTには影響ない。
c 正しい。造影剤腎症を予防するためにも、糸球体濾過量の事前評価が重要となる。
d 尿酸値の基準値は2.5〜7.0mg/dLであり、正常である。
e Naの基準値は135〜147mEq/Lであり、正常である。

正答率:99%

テーマ:【長文1/2】造影CT撮影実施の可否を判断する上で重要な情報

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